月舟記録

写真で綴る日々の記憶と記録。

「ボヘミアン・ラプソディ」は良質なインテリア、猫 映画

先日「ボヘミアン・ラプソディ」を観てきました。

www.foxmovies-jp.com

私の世代だとフレディ・マーキュリーもなんとなく過去の人で、ちょっとネタ的扱いもされたりしていたので、そんなに知っているわけでもなかったのですが、一人の人間の一生を物語で追いかけるのは興味深く、音楽も楽しめました。

 

多くのSNSなどで感想、解説が語られていますので私的に刺さったところを書くと、良質な「インテリア映画」であり「猫映画」であるところでしょうか。

 

厳格な家庭で育ったフレディ、実家の雰囲気からも良く伝わってきます。やがてだんだんと豪華になっていくフレディの住まいにはバンドでの成功が感じられます。恋人メアリーの部屋が見える家、親日家と言われたフレディの趣味が伝わる内装、特にソロレコーディング時に滞在したミュンヘンの部屋は、豪華さがかえって当時のフレディの心の中の空白と対比されるようで、名シーンに感じました。

 

ライブエイドの直前、楽屋として使われていたキャンピングトレーラーの内装なども、その後のシーン、ピアノ上のペプシの紙コップからも感じられるように相当凝っているのだろうなあと当時の画像と見比べてみたり。

 

そして猫。フレディの飼っている猫の登場シーンの自然さがなかなか良かったです。きちんと飼い猫の柄も合わせてあったり。猫を追うでもない、部屋を切り取ったカメラの枠の中を自由に動く猫。この自然さが最近は新鮮に感じます。

 

晩年のエイズ感染、闘病のところはあっさり。ここをお涙頂戴展開にしなかったところも良いかと。病気はなりたくてなるわけではないし、人が闘病して亡くなるって心を動かされないわけないじゃんと個人的に思っているので(そこをクライマックスに持ってくる映画は苦手です)。

つらいことも多いけど、生きる価値はある。物語を通して全体的に「人生の肯定」になっているのがこの映画の魅力、フレディ・マーキュリーの魅力だと思いました。

 

他にも触れたいポイントがありますが、とにかく映画館に足を運んで、劇場の大音量で楽しむ、エネルギーをもらえる作品だと思います。もう1回観たいです。