月舟記録

写真で綴る日々の記憶と記録。

パン屋にて

初めて行ったパン屋で、レジのお姉さんがぎこちなかった。

あー手でもけがしたのかなーなどと考えつつ、入れてもらった袋を受け取ったあと、お姉さんは「障害でうまくいかなくてすみません」みたいな言葉を口にしていた。みたいな、というのもその時私はすでにくるりと振り返っていたのと、思いもよらないその一言に少し驚いたからだった。

手元を見すぎちゃったかなあ、とかこういう時になんと言うのがよりよいかな、とか一瞬にいろんなことが頭の中を駆け巡って結局お姉さんに向けて無言ながら力強く首を振り「気になさらず」という表情をして店を後にした。

後で調べたら、障害を持つ人の自立と社会参加を支援している会社のベーカリーだった。調べるまで普通のパン屋だと思っていた。この会社が実現しようとしているノーマライゼーションの考えが広まっていってほしいし、こういう形なら自分も参加しやすい。願わくば、レジのお姉さんが「うまくいかなくて…」なんて言わなくても良いような世の中にしなくては、と思った。

一生懸命にやっていればそれは伝わるし、逆もまたってところもある。お姉さんに伝えようとして、いやこれは自分に対して思っていることだよな、と感じた。気づく機会になってよかった。パンもおいしかったし。

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